モテずに死ねるかっ!!

-Can you die without attracting her?-

男性はどうしようもなく恋に盲目、失いそうにならなければ気づかない。

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photo by Khánh Hmoong

f:id:t-dicek:20140920092713p:plain失いそうになって初めて気づく愛もある

「貴方がいなくなって、はじめて私には貴方がどうしても必要だと分かったの」などと言えば感動を誘います。

相手が誰か別の人のものになってしまったとき、自分のものではないということを改めて意識した時に、突然、激しい恋心が生まれます。

しかし、これが本当の愛情であるかどうかは疑問です。
そのときは、お互いに気持ちが高まって、やり直してみたけれど、やっぱりダメになってしまったなどという話をよく耳にします。


ほんのわずかではあっても、自分の生活の一部となっていたものを突然失うことは、大きな喪失感と空虚感をもたらします。


第三者の割り込みによる恋愛感情の発生を、母に甘え、親しんでいるところに父親が現れ、母が親に属していることに気づくことによって母に対する恋愛敵勘定と父に対する嫉妬や敵意が生じます。


これと同じように、はじめは愛情を自覚せず、ただ甘えや親しみを向けている過ぎなかった相手が、自分以外の異性のものになってしまうと思ったとき、あるいは実際になってしまったとき、突然恋心が痛切に自覚されるというわけです。



f:id:t-dicek:20140920092713p:plainライバルが現れたなかったらどうなったか

このような心理を執拗に追及したのが、文学者が夏目漱石です。
「こ﹅ろ」の先生は、学生時代下宿屋の御嬢さんに好意を抱き、自分から切り出せばたぶんうまくいくような状況であったにもかかわらず、なかなか求婚に踏み切ることができませんでした。

ところが、親友Kからお譲さんに対する切ない恋心を打ち明けられたことがきっかけとなって、お譲さんへの求婚に踏み切ります。その結果、Kは自殺してしまうのです。

こころ (新潮文庫)

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彼岸過迄』の須永は、幼馴染の千代子の美しさ、清らかさ、気品を評価し、好意を抱いてはいましたが、彼女との縁談のすすめは断り続けていました。ところが、洗練された外国帰りの高木という男の出現で、彼の心に激しい嫉妬の念が湧いてきます。


千代子が他の男のものになってしまうかもしれないと感じたとき、須永は初めて自分が無意識のうちに千代子を所有しており、誰にも渡したくないと思っていることに気づくのです。

彼岸過迄 (新潮文庫)

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『それから」の代助は、親友の妹、三千代のに対する友人平岡の愛を告白されて、いとも簡単に彼に三千代を譲ってしまいます。
そして、平岡と三千代は結婚するのですが、それから数年たって三千代と再会したとき、代助は三千代に対する愛情を改めて意識することになります。

それから (新潮文庫)

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男性は、情けなくも、どうしようもない。失いそうにならないと気付けないのかもしれません。