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モテずに死ねるかっ!!

-Can you die without attracting her?-

年上の女性を好きになってしまった切ない恋、言の葉の庭

モテる男 モテる男性-恋愛映画

言の葉の庭 (アフタヌーンコミックス)

f:id:t-dicek:20140920092713p:plain男女の差に阻まれた甘く切ない物語

2012年に公開され、一躍有名となった『言の葉の庭』。
その理由は甘く切ない物語と、それを彩る圧倒的な背景美。様々な「差」に阻まれた男女の「孤悲の物語」と言われています。今回はそんな『言の葉の庭』のあらすじとお気に入りのシーンを紹介していきます。

f:id:t-dicek:20140920092713p:plainアニメとは思えないリアルがあった

 「空の向こう、約束の場所」や「秒速5センチメートル」で有名な新海誠監督の2012年梅雨に公開された映画です。なぜ梅雨と表現させてもらったのかは、この物語に関係があります。実は『言の葉の庭』物語の舞台が新宿御苑で、雨の時だけ会う男女が互いに惹かれ合っていくそんな神秘的なストーリーになっています。だからこその梅雨の時期です。


新海誠監督は自主制作の頃からかなり話題にあがる監督で、その背景美術の細やかさはもうアニメの世界を超えていると様々な人がいいます。今回の作品はより現実味があふれ、その親しみやすさとアニメとは思えないリアルな背景美に様々なところで特集が組まれました。


また、声優もかなり豪華で、主人公のタカオ役に入野自由さん。『千と千尋の神隠し』のハクの声を担当してるので、多くの人が聞いた事があると思います。またヒロイン・雪野役を花澤香菜さんが演じます。彼女もかなり売れっ子の声優さんで『化物語』の〜や、『PSYCHOPASS』の常守朱役やど幅広く活躍しています。今をときめく旬な二人と背景美が織りなす「愛より昔、孤悲(こい)の物語」。ぜひ見ていただきたい一作です。

f:id:t-dicek:20140920092713p:plain大人の女性を好きになってしまった青年

 物語の舞台は新宿周辺。主人公のタカオは将来靴職人を目指す高校生一年生。やんちゃでもなく根暗でもないごく普通の男子高校生ですが、なぜか雨の日は学校に向かうのが億劫になる性分で、そんな日にはいつも新宿御苑に足を運び、靴のスケッチをしていました。


そこである日出会ったのがタカオより12歳上の雪野。大量のチョコを肴に昼間からビールを飲む彼女から万葉集の一句を送られます。それから会話をし始め、交流を深めるようになります。


そしてそれは雨の日だけの逢瀬となるのです。お弁当をわけあったり、たわいもない話をしたり、仲は深まるけど、決して御苑の外では会わない。そこだけが誰にも邪魔されない特別な空間のようなイメージだったのでしょう。ある日、タカオがスケッチしているところを雪野が覗き込むと「女の人の靴をつくっているんです」と告げるタカオ。そして雪野の足の肩をとらせてもらうことに。ぎゅっと距離が縮まったかと思いきや、梅雨があけたことにより事態は急展開。


実は雪野はタカオの通う高校の古典教師で、生徒からの嫉妬によるいじめで一時休職をしていたのです。結局退職することになり、手続きをしに学校に訪れたとき、タカオと廊下ですれ違います。タカオのクラスの古典教師は違う先生でなおかつ、タカオが学校に関して無頓着であったことから、雪野の存在また彼女の周りの事件のことを知らず、そこで初めて彼女が自分の学校の教師だと知るタカオ。


雪野の方は気付いていたのだけれど、学校の一件があったので自分を知らないということに心の神経が休まったのかもしれません。自分の夢を応援してくれてると思っていた大人が教師で戸惑うタカオとそれなのに雪野に向けた好意にもぼんやりと気付いてしまった。


そして久しぶりに御苑で会った二人は今までの事を話している最中に夕立にあい、ぬれた服を乾かすのに雪野の家へ。生徒も先生も年の差も全て取り払った日常を送り、お昼のあといっぱいのコーヒーを飲んでタカオが言います。


「俺雪野さんのことが好きなんだと思う」
その言葉に雪野がした反応とは!?



f:id:t-dicek:20140920092713p:plain一人じゃ弱いけど、二人なら歩いて行ける

 そんな『言の葉の庭』。静かで雰囲気のあるとても良い映画なので、お気に入りのシーンはたくさんあるのですが、今回はクライマックスのシーンをもってきました。


 タカオがなぜ雪野が先生であることに困惑したかというと、彼女も他の人と同じで靴職人になるなんて夢現実味がなく、高校生がその場限りの憧れで口走っているだけだと思われていると思ったからです。実はあらすじのところに書いた告白の返事に、雪野は「教師」ということを持ち出します。それがタカオを怒らせ、部屋を出ます。


しかし、雪野もまた悩みをかかえていて、それはいつまでたっても弱いままだということ。いじめの件もあり、どうにか自分で自分を立て直さなければいけないものの、考えれば考えるほど気分は落ち込み、ビールとチョコしか御苑に持ち込まなかったのも理由がしっかりあります。


そんな弱い自分と決別するために、外に出て自分の好きに歩き、あの御苑で一人で立って歩く練習をしていたのです。雪野も雪野でここでタカオに甘えてしまったら、弱いままだとストップをかけた結果が「教師」という言葉でした。


 このラストシーンでは、そういった胸の内をお互いが吐露するのです。バックの吹き荒れる雨とぶつかりあう心情。そして通じ合ったときに雲間からこぼれる光。表現だけでも目がうるうる止まりません。彼らを隔てている壁というのは、年齢だったり身分だったりしますが、お互いの好きという気持ちを阻める壁は何も無いんだなと感じたことを覚えています。


タカオも雪野も一人じゃ弱かったけれど、二人なら一緒に歩いていける、そういう確信があったのだと思います。他人から理解されず苦しむタカオに夢を応援してくれる雪野の存在は大きかったし、逆に雪野にとっても傷ついている自分に寄り添ってくれるタカオはとても居心地がよかったのだと思います。


そんな二人だからこそ、お互いの弱さをさらけだし、その弱さを許容してあげる強さがあるのだと思います。そんな強さが見えたワンシーンでした。


 どうでしたか?
 アニメーションということで敬遠する方も多いと思われますが、見てみると圧巻です。こういう男女像も憧れる方は多いのではないでしょうか?皆が皆強いわけではないし、弱い部分は誰にでもありますよね。そういう弱さを認め合って、補い合える関係ってすばらしいと思います。ぜひこの機会に見てみてくださいね!

言の葉の庭 (アフタヌーンKC)

言の葉の庭 (アフタヌーンKC)