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モテずに死ねるかっ!!

-Can you die without attracting her?-

娚の一生、恋愛に疲れた女性を癒す大人の包容力

娚の一生 DVD通常版

f:id:t-dicek:20140920092713p:plain寄り添い生きる、優しい物語

2015年冬に公開された月刊フラワーズにて連載されている漫画を映画化した『娚の一生』。学生を抜け出した女性達から絶大な人気を誇ります。主人公を榮倉奈々、その相手役を豊川悦司という豪華キャストにより制作されました。


「きっとあなたの側にある。寄り添い生きる、優しい愛の物語。」キャッチコピーそのままの雰囲気を閉じ込めた本作のあらすじとお気に入りのシーンを紹介していこうと思います。

f:id:t-dicek:20140920092713p:plain年の離れた男性と恋に疲れた女性の恋愛模様

 上記した通り、「月刊フラワーズ」にて2008年から連載開始されていた漫画でした。既刊4巻で既に完結していながらも、こうして映画化されるほどの人気を誇ります。原作者は西炯子先生で、他にも『姉の結婚』など人気作を描かれている漫画家です。


 映画『娚の一生』は、監督は廣木隆一で、『ストロボ・エッジ』や『きいろいゾウ』なども撮られている監督です。雰囲気作りのとても定評のある方で、今作でも主人公の住む田舎の風景を徹底的に作り出し、原作の静寂な雰囲気そのまま映画に落とし込んでくださっています。キャスティングも系統の全く違う『図書館戦争』で主役を張る榮倉奈々さんが主人公・堂園つぐみを演じてます。そんなつぐみが恋におちる年の離れた相手役を実力派の豊川悦司さんが演じます。

f:id:t-dicek:20140920092713p:plain娚の一生』あらすじ、恋に疲れ、恋をしないと決めた女性

 物語の舞台は日本の架空の場所。恋をしないと決めた堂島つぐみは祖母のところで長期休暇を過ごしていたところ入院していた祖母がなくなってしまう。


祖母のやっていた染色に興味のあり会社も辞めていたつぐみはそのまま亡き祖母の家にとどまり、生活していくことに。実はつぐみ、恋をしないと決めたわけは前の会社にあったのです。妻のいる男性・中川と不倫関係にあったつぐみは、中川の甘い言葉とともに離婚を待つも精神をすり減らし別れをつげたのち、心を休めるために祖母の家に滞在していました。


辛い恋に疲れ、一生一人で生きていくと決めたつぐみは祖母の家で自分よりも何歳も年上の男・海江田醇と出会います。彼は祖母の家の離れの鍵をもっていて、ずっとそこで自分の職業である大学の教授の仕事をしながら過ごしていた。


優しい性格から拒みきれないつぐみはそこから同棲のような生活をはじめ、近所の人の噂の的に。また海江田の方はつぐみに好意を寄せており、まんざらでもなく近所の人々にも「結婚しようと思っています」などと言う始末。


自分のいないところで話が進んでいくことにつぐみは戸惑うが、海江田を強く拒む事もできず、また海江田の言葉に図星をつかれることも。何もかもあきらめているようなつぐみを叱ったり甘やかしたり、海江田に翻弄されるつぐみですが、だんだんその生活に慣れていくと、海江田が側にいることに違和感もなくなってくる。


「結婚」はしないが、一緒に住んでいる生活が続く中、親に捨てられたと遠縁の子供が祖母の家に置き去りにされます。仕方なしに、迎えにくるまでと子供を預かり、一緒に生活するつぐみですが、海江田はその状況を好ましく思わず、子供に自分がどんな状態にあるかということを言い聞かせます。


なぜそんなことをするのか怒るつぐみですが、実は海江田は子供の頃同じように公園に捨てられた経験があり、自身の経験から自分一人で生きていく強さを身につけさせようとします。やがて引き取りにきた親に渡す日が来て、去っていく姿に寂しく思い泣くつぐみの側に海江田がずっと寄り添う。


なんとなくそこから距離が縮まり始め、つぐみも海江田が気になり始めた頃、つぐみにとって辛い出来事を思い起こさせる一通の手紙がきます。「海江田小夜子」という人から出された海江田宛の手紙はつぐみと海江田の関係を一歩前進させるのか、後退させるのか。


そしてかつての元恋人であり不倫相手であった中川がつぐみを探しに祖母の家を訪れ、離婚が成立したこと、そして「結婚」してほしいとつぐみに迫り始めます。


気になる結末はぜひ映画をご覧になってください。



f:id:t-dicek:20140920092713p:plain年齢の差はブレーキにはならなかった。

 有名なシーンは上の画像の「足舐めシーン」ですが、私のお気に入りはこのラストシーンになります。つぐみ役を演じている榮倉奈々がもつはがきは、以前一時的に保護し、一緒に暮らしていた少年・まことからのはがきでした。


母親が迎えに来ると決まったとき、またトラブルに巻き込まれた時に備えてと海江田が堂島つぐみ宛の大量のはがきをまことに渡し、「元気でやっていたら大きく○をかけ」と言います。海江田なりの心遣いが垣間見えるシーンでもあり、その心遣いというのはまことだけでなく、まことの行く末を心配するつぐみにも向けられていました。


辛い目にあったまことが母親の元に戻り、心配と寂しさと辛い思いと様々な感情が一気に押し寄せ泣き出してしまうつぐみの側にずっと海江田が寄り添うシーンがあるのですが、包容力だなぁと感心してしまいました。届いたはがきをみて、二人で微笑みあっているのも3人だけの秘密の文通のようでいいですよね。


 全てを包み込む包容力。女性の方が男性に求める条件にもよくあがってきますよね。本作ではかなり年の差のある恋愛であり、二人とも若いわけではありません。それも理由に恋愛を避けていたのも事実なのですが、恋に落ちる時は落ちるというのがこの映画のポイントだと思います。


つぐみの弱さを厳しく叱りつつも、しっかり理解し大丈夫、大丈夫と支えになってくれる海江田。海江田もまた、つぐみのまことに対する母性のようなものに惹かれていたのかもしれないですね。年の差があるから、辛い想いをするのはいやだから、とブレーキをかけるのではなく、想いのままに動き、相手の弱さも受け止められるような余裕を持った恋愛。とてもいいですね。娚という感じは女と男が寄り添い一生を遂げるという形をしていますしね。


 どうでしたか?
女性漫画誌で連載されていたものなので、見づらいな、という方もいらっしゃると思いますが、なんとなく懐かしい気分に浸りたいという軽い気持ちからでもぜひお手にとってみてください!

娚の一生 (小学館文庫)

娚の一生 (小学館文庫)